ADVERTISING

一癖ある可愛さで好調のビビィ 「ブランドのファン」目線で顧客に還元していく

?平原麻菜実

 「何歳になっても可愛い物が着たい」を叶えたい、でも可愛いだけはイヤ──。小松友結子が手掛ける「ビビィ(Bibiy.)」は、フェミニンな世界観と裏腹に、そうした強いマインドから生み出されている。立ち上げから7年、D2Cビジネスを基本としながらポップアップは毎回好調を記録。一癖ある可愛さで人気を確立している。そんなビビィが新たな取り組みとして、ショールームをオープン。「私自身がビビィの大ファン」だという小松は10周年を見据え何を考えているのか。

ADVERTISING

小松友結子:1997年、兵庫県生まれ。大学4年生の2019年に現在の運営会社GURUGURUからのオファーでビビィを立ち上げた。フェミニンかつエッジィなミックススタイルで支持を拡大。今年7月、青山に招待制のショールームを開設。

販売がメインではないショールーム じっくり向き合ってもらう場に

──まずは新しいショールームについて聞かせてください。ポップアップが毎回好調だと聞いていたので、実店舗のオープンを想像していました。

 常設の場を作った一番の理由は、これまで支えてくださったお客さまの購買体験を充実させたいと思ったからです。ありがたいことにポップアップはいつも反響が大きいのですが、待機時間が長くなってしまうことが気がかりでした。

 そこで、招待制のマンツーマン形式であれば、満足いくまで気になるものを見ていただけるんじゃないかと。そもそも販売機能がないショールームであれば、「何か買わないといけないかも」といったプレッシャーも無くせる。気になったアイテムはオンラインサイトから注文していただけます。まずはポップアップの常連やリピーターの方を中心にお声がけしています。

新たにオープンしたショールーム

──かなりクローズドに運営していくんですね。

 どんな方がどんな服をどうやって楽しむのか、私たち自身も向き合いたかったんです。ポップアップは今後も続けていきますから、敢えて別の接客機会を設けた方が、ブランドの魅力を多角的に伝えられるだろうと考えました。ただ、現状は実験段階で、これからの反響と反省点を踏まえて、オープン頻度などいい形を模索したいと思っています。

──ショールームの空間デザインは、ブランドだけでなくライフスタイルも支持を集めている小松さんのこだわりを詰め込んだのでしょうか。

 私の好みというよりはブランドチームの総意というか、「ビビィならこうだよね」を追求しました。ジャン?プルーヴェ(Jean Prouvé)のソファーなどのインテリアはミニマルでモダンですが、ちょっとした違和感やデザイン性がある。可愛いだけではなく、少し癖のあるビビィらしさを表現するインテリアや空間デザインにこだわりました。

 余談ですが、もう2年前くらいから、インスタグラムのフォロワー数は私個人のアカウントよりブランドアカウントの方が多いんです。実際にポップアップでも、私のブランドだと知らずに購入してくださる方が増えた印象があります。そういう意味でも、ビビィが私個人のブランドという枠を超えて愛されるよう、客観的な視点を交えながらディレクションするようになりました。

広々とした空間で、くつろげるようにソファーなども設置

SNSは量より質 情報は好きな時に持ち帰ってもらう

──具体的に、どのような変化がありましたか?

 一番はSNSの投稿ですね。以前は、自分のアカウントでは全てのアイテムを着用して説明したり、私起点での発信にも力を入れていましたが、今はむしろセーブしています。ブランドの世界観が確立されたと実感でき、私もひとりのビビィのファンとして考えられるようになり、オフィシャルコンテンツの質を高めているところです。

──ブランドのアカウントでの発信で注力しているのは?

 2026年春夏コレクションから、シーズンのキーヴィジュアルに加えて、新作発売に合わせたマンスリーヴィジュアルを投稿しています。コンテンツは多いですが、情報に疲れてしまわないように気をつけています。基本的にフィード投稿はヴィジュアルと入荷日を月初めにまとめて出したら、あとはお客さまが好きなタイミングで見ていただければ良いというスタンスです。

 サブアカウントの「@Bibiy.GIRLs」では、スタッフやお客さまの着用画像を投稿しています。よりリアルな着こなしの参考として運用していますが、皆さんが色んなシーンでビビィを着てくださっているのを見るのはチームのモチベーションにもつながっています。

良いことも悪いことも自分の責任 一からブランドをスタート

──そもそもビビィは、小松さんが大学在学中に現在の運営会社GURUGURUからオファーが受けてスタートしています。誘いを受けた当初、率直にどう感じましたか?

 就職活動の時期だったこともあり、就職先の選択肢のひとつのように考えていました。他社からもブランドについて声をかけていただくことはあったのですが、今の会社は「全部あなたの責任で進めてください」と言ってくれたのが印象的で。お飾りになるのではなく、悪いことも含めてディレクターとして責任を持って本気で向き合えるところだと思い、引き受けることにしました。

──ファッションの専門知識がない中でのスタートに、プレッシャーはありませんでしたか。

 新しいことを始める緊張感はありましたが、不安はなかったですね。どんな業種であっても、新卒で働き始める時は初心者に変わりないので、専門的なことを知らなかったからこそ「一から頑張るぞ!」と、とにかく燃えていたんです。

──実際にブランドを始めてみていかがでしたか?

 トライアンドエラーの繰り返しで、それはもう大変でした(笑)。分かるところから進めてみるという感じで、服ができたら撮影して、ブランドサイトを作って、発送するための段ボールを注文して......みたいな。梱包する時になって、テープが無いことに気がついて急いで発注したこともありました。振り返ってみると、そういう雑務も含めて全部携わってきたからこそ、ブランドに対する責任と愛着が湧いたんだと思います。

可愛いだけじゃない違和感がビビィらしさ

──ビビィのコンセプト「フェミニンで華のある強い女性のための服」はすんなり決まりましたか?

 私自身も母も可愛いものが好きなんですが、母がよく「可愛いけれど、もう着れない」と言っていたのが印象に残っていて。可愛さを肯定しながら、大人の女性が着られる余白や少しズレた可愛さのある服があったら良いなと思っていたので、世界観やイメージは比較的すぐに決まりました。

──フェミニン、ガーリーなだけではない、ブランドらしさの秘訣は何でしょうか。

 企画会議では「癖がある」という単語がよく出てきます。逆に、ストレートに可愛いだけだと企画段階で止まることが多いですね。表面的な可愛さだけではない、女性の多面的な部分を意識しているので、少し違和感があるくらいのデザインに挑戦しています。シグネチャーのペプラムトップスは、従来はコンサバなイメージが強いものが多かったところ、ホイップクリームのようなボリュームのある大胆なシルエットが意外な個性としてヒットしました。

──実際に客層は20代から60代と幅広いそうですね。

 今も昔もターゲット層は固定していなくて、「何歳になっても可愛い物が着たい」を叶えたいと作ってきた結果、予想以上に多くの方に手に取っていただけて自信がつきました。同時に、「自分たちが歳を重ねても楽しみたい」と思えるような商品構成を意識するようになりましたね。ロング丈のドレスや、スウェットやTシャツなど日常的に着やすいアイテムを増やしたり、フリルなどでフェミニンさを出しながらシルエットはエレガントにしたりと、バリエーションを増やしました。

──アクセサリーやバッグ、シューズなど商品カテゴリーも増えています。

 ポップアップで待機列ができているのを見て、試着無しでも楽しめるアイテムがあったらいいのではと思い、カテゴリーを拡充しました。大ぶりのリボンハンドルのボックスバッグは最近の人気アイテムのひとつになっています。

人気のリボンボックスバッグ(1万6000円)

──2026年秋冬コレクションのポイントを教えてください。

 今回は意外性、ギャップ、多面性などがキーワード。ある意味ブランドの根本的なコンセプトに近い言葉で、ビビィにとっての意外性を考えました。取り外しできるペプラムパーツ付きのフェイクファーコートや、ストリートっぽいナイロン地にクラシカルなチェック柄をあしらったダウンジャケット、前身頃はショート丈で後ろにかけて長くなる裾のドレープ感がドラマチックなトレンチコート、シンプルなテーラードジャケットに遊び心のあるワッペンを縫い付けたものなどです。

ペプラムデザインのアウターとミニスカートのセットアップ(2万6000円)

より良いチームになっている実感がある

──ブランド設立から7年、スランプはありましたか?

 うーん......無いですね。日々の業務上でちょっとしたエラーはもちろんありますが、止まってしまうようなことはありませんでした。でも、私の力ではなく、良いチームに恵まれているおかげです。自分で言うのも何ですが、私は結構ポンコツなんです(笑)。やりたいことやアイデアはたくさんあるし、気になることも多いのですが、うまく言語化できないことも多い。困ったら下手に寝かせずにすぐに相談することで、みんなの得意分野からフィードバックをくれて、結果的に良い形にアウトプットできるんです。

──現在のチーム構成は。

 社員は12人で、数年前から大きくメンバーは変わっていません。以前は掛け持ちでタスクを進行していたのですが、去年からデザイナー、MD兼生産管理、広報?プレス、営業、EC、カスタマーと担当部門を割り振りました。人員配置を明確にしたことで各業務の精度が上がり、より良いチームになっている実感があります。

──ブランドディレクターとしてチームを率いる際、大切にしていることは。

 常に尊敬と感謝を忘れないこと。先ほども話した通り、あらゆる面で助けてもらっていますし、多くのアイデアから良いものを生み出すために、コミュニケーションしやすい環境は本当に大事です。それから当たり前ですが、私自身が一番ブランドに費やす時間が多くなければいけないと思っています。ビビィを愛してくださるファンが増えることがメンバーへの恩返しになる。もっとワクワクするようなブランドになるために必要なこと、みんなが着たいと思う服のデザインなど、私が一番考え抜かないといけないなと。

10周年を見据えて 「ブランドの大ファン」として動く

──現在の課題や今後の計画は?

 すぐに着手したいと思っているのはサイズの拡充。現状はフリーサイズが中心で、一部のボトムスが2サイズ展開なので、次のステップとして取り組みたいです。それから、イージーケア、ホームケア対応のラインナップも広げたい。お客さまから「特別な日だけではなく、日常的にもっと楽しみたいんです」という要望があり、ハッとしました。それから、全体的なクオリティアップも追求したいです。自分が関西出身で、デザイン性と価格には納得感がないと嫌なんです(笑)。素材や装飾性、耐久性など基本的なものづくりの質をあげていきたいですね。

──10周年に向けたブランド像はありますか?

 お客さまに還元していきたい気持ちが強いです。現状は毎シーズン30%前後で伸長していますが、成長率は維持しながらも素敵なブランドとして常にピークを保つ方が大事だなと。よし、やるぞという気持ちも込めて、ショールームのオープンと合わせて事務所も同じフロアに移転しました。良いチームにも恵まれているので、あとは私がブランドの大ファンとして動いて、考え続けるだけですね。

最終更新日:

■ビビィ:公式サイト

文?平原麻菜実

Manami Hirahara

FASHIONSNAP 編集記者

埼玉県出身。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程卒業後、レコオーランドに入社。国内若手ブランド、国内メーカー、百貨店などの担当を経て、2020年にビューティチームの立ち上げに携わる。ポッドキャストやシューティング、海外コスメレビュー、フレグランス、トップ取材など幅広い観点でファッションとビューティの親和性を探る企画を進行。2025年9月より再びファッションチームに所属。映画、お笑い、ドラマ、K-POP......エンタメ中毒で万年寝不足気味。ラジオはANN派。

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント